目玉おやじの白内障手術 奮戦記   2020年3月3日

奮戦記

眼科の先生から白内障と言われてショックを受けたオヤジであるが昔の記憶(60年前)を思い起こせば当時、寝たきりであった母方の祖父や近所の爺さん達の目が白目であったことが思い起こされる。

当時(1960年) 平均寿命は男性は約65歳、女性は約70歳だったので水晶体の濁ると同時に寿命がつきていたので白内障の手術を受ける人はあまりいなかったのだろう。

昔、白内障の手術はどうだったのだろう??、即 調査開始。

子曰く 故きを温ね、新しきを知る    『論語』

子曰く 故きを温ね、新しきを知る    『論語』

白内障 手術の歴史

白内障に苦しむ患者は、白内障手術を受けることで視力を回復できます。

この治療は、現在では信頼性の高い手術であるが以前は生命の危険を伴う手術だった。

古代世界での白内障手術 墜下法(Couching)

曇った視力を回復するために、墜下法(Couching)が行われた。この手順では鍼針金を使用して濁った水晶体を眼に押し戻しました。この技術の証拠は、古代エジプト人にまでさかのぼる4,000年前にさかのぼります。

麻酔がまだ発明されていないので、患者は縄等で縛られて激痛に耐えながらの手術だったのでしょう! 思うだけでぞーとします。

白内障手術 墜下法(Couching)

 

西暦 17世紀 最初の白内障摘出手術

古代世界で発明された墜下法(Couching)方法は何世紀にもわたって使用されました。

しかし、眼の構造が解明された後、1748年にフランス宮廷医ダビエルは角膜を切って白内障を取り出す「白内障摘出術」が考案、この手術は角膜輪部を180度くらい切開する必要があり、術後は、レンズがなくなり、厚いレンズの入った眼鏡で矯正しており、見え方はかなり不自然であったと記録されている。

ダビエルの白内障摘出法

画像出典先:Cataract

19世紀 眼内レンズ 発明

1900年代半ばにハロルドリドリー氏によって眼内レンズが発明された。

開発されたきっかけは、第二次世界大戦中のある出来事でした。
イギリス軍の戦闘機が被弾して操縦席の風防窓が割れたのですが、その破片がパイロットの眼に刺さってしまったのです。それを取り出すことができないので放置したのですが、感染症等を起こさず眼の中に存在し続けたのです。これをヒントに眼内レンズが開発されました。

この風防の素材が、PMMAと呼ばれるプラスチック、いわゆる硬いアクリル樹脂です。PMMAの眼内レンズは今でも手術の種類によっては使用されています。

PMMA のレンズは、硬くて折り曲げることができず、眼内に挿入するのは6〜10㎜程度の創口を作成して挿入しなければなりませんでした。
白内障手術の進歩の一つに創口の小型化をあげましたが、眼内レンズの歴史の中の最も大きな変革として、折り畳んで小さい創口から挿入できるレンズが開発されたことがあります。しかもこの変革はここ20年程度のまだ新しい出来事なのです。最初はシリコーンと呼ばれる皆さんの身の回りにもある調理器具にも使われているような柔らかい材料が使われ、現在はさらに進化した柔らかいアクリル素材が主流となっています。

 

西暦1980年代:超音波水晶体乳化吸引術

超音波乳化吸引術(phacoemulsification)は、1967年にチャールズケルマン博士によって開発されました。この手法では、超音波振動を使用して、白内障を小さなセグメントに分割しました。

このステップが完了したら、小さなプローブで粒子を除去しました。この手順は白内障を取り除くのに役立ちました。

https://youtu.be/4xJivTGL7eA

1978年:最初の折りたたみ式眼内レンズ

Kai-yi Zhou博士は1978年に最初の折りたたみ式眼内レンズを開発しました。このデバイスはシリコン製で、丸めるか折りたたむことができるため、小さな開口部から挿入できます。

折りたたみ式眼内レンズ
折りたたみ式眼内レンズ

1986年:レーザーアブレーション(laser ablation)

眼科学の分野で最も重要な発見の1つは、1986年にパトリシア バス(Patricia Bath)博士によって行われました。彼女は、白内障を切除および除去するために光エネルギーを使用するレーザアブレーション装置を発明しました。

 

Patricia Bath
Patricia Bath
Patricia Bath - Wikipedia

この治療は画期的なものであり、30年間以上失明していた患者の視力回復に役立ちました。

https://youtu.be/lOgDUqWduSQ

現代の白内障手術

日本では白内障による失明の恐れは激減しましたが世界では失明の原因の第1位はダントツで白内障です。又、米国では2500万人以上のアメリカ人が白内障に苦しんでいます。

下のグラフは世界の失明原因の統計です。1位が白内障です。

現在では、人工のレンズで白内障になった水晶体を置換する手術が発達し、ほぼ治療可能な病気となりました。欧米や日本などではこの治療方法がすでに広く普及しています。

しかし、白内障手術が普及してない国では白内障が進行し、重症化し失明に至る患者がまだまだ多くいます。

 

世界の失明原因

引用サイト:History of Cataract Surgery

コメント

タイトルとURLをコピーしました